ドクター&ナースのつぶやき

 

令和4年4月号

「訪問看護ステーションにおける認定 ~特別なものじゃない~」

貝塚病院訪問看護ステーション 所長 岩川圭子

 母親が肺がんを患い、病気の重さと母が抱える心の重さは違うなぁと実感したことがきっかけで在宅看護に関わりはじめて数十年が経ちました。毎年、桜の花が咲くこの季節になると母の事を思い出してはふんわり暖かい気持ちになる私です。

 ある日、訪問先で差し出した名刺をみてケアマネージャーさんが「いいね。在宅ケア特定認定看護師さんが来て」と言った言葉に、利用者さんは「特定看護師・・・認定看護師・・・何 なに 何が違うの?看護師さんじゃないの?私にはいつも来てくれる看護師さん。私の事を解ってくれる看護師さん。ちゃんときれいにしてくれる看護師さんだよ。」と返した。そうなんですよね。利用者さんやご家族にとって特定認定看護師は特別なものじゃない。
 日々やっているケアの積み重ねが大切。基本に忠実に安全な医療行為を行い、細やかで丁寧なケアを行う。知識と経験に加えて医療の中のルールを守ることが絶対の条件。認定も特定も利用者さんや家族のために、まだ何かできることがあるんじゃないか?という思いから学んだ結果。轍ができるように数年後に跡が残っていたらいいなぁと訪問看護を続けている毎日です。

 4月からは在宅領域にも質の高い訪問看護に向け、専門性の高い看護師による訪問などに多くの評価がなされました。訪問看護での特定看護師の成果としては、専門分野の新規利用者さんの増加や通院回数の減少による利用者さんやご家族の負担軽減や満足度向上につながっています。学んだことは決してムダにはならないので、ぜひ訪問看護師の皆さんにもチャレンジしてほしいです。

 

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