ドクター&ナースのつぶやき
令和3年10月号
コロナ禍における訪問看護師の役割
福岡県済生会 訪問看護ステーションなでしこは、福岡県済生会大牟田病院を拠点としています。
訪問看護ステーションとしての歴史は古く、ケアプランやヘルパーステーション、訪問入浴を一緒に行っていた時期もありました。何度も事務所の移転や事業整理を行い、常に今必要なサービスは何か考えて取り組んできたように思います。平成26年には新たに療養通所介護を立ち上げましたが、今年8月大牟田病院に隣接した院外薬局の新築し建物2階への移転をきっかけに、それまでの訪問看護リハビリも病院の訪問リハビリに切り替え、ステーションの事業は訪問看護1本に絞りました。現在は管理者を含め5名の看護師と1名事務員で勤務しています。
済生会大牟田病院は医療福祉センターとして、病院は急性期、回復期病棟、通所リハビリ。老健施設ライフケア院はユニット・多床室、デイケア、相談センター。在宅部門としてはケアプランサービス、訪問看護ステーションがあります。
本人が希望される環境で、希望される医療、介護を受けることできるよう各々の役割を遂行していくことが私たちの使命だと思っています。そして私たち訪問看護は、在宅療養を希望された方が、病院から在宅への移行がスムーズにでき、在宅医療を継続することができるようサポートすること、また必要な方へ必要なサービスを提供することが役割だと思っています。
今まだ緊急事態宣言中ではありますが、第5派におきましては自宅療養中にお亡くなりになられた方が多く、在宅・訪問に携わる方は胸を痛められたと思います。
大牟田市では、自宅療養で重症化した事例はなく、ステーションへの感染者、濃厚接触者への訪問依頼は殆どありませんでした。
県からのアンケートが来たことで、緊張が走り、依頼があった時には対応できるよう体制を取ることが私たちの役割だと思っています。
地域の訪問看護連絡協議会も数か所は連携を図り、サポート体制が取れると思います。また、済生会のある福岡県内や九州だけでなく全国の済生会の訪問看護ステーションへ投げかけ情報や対策・相談が出来る強みもあるかと思います。
母体が病院という点では、物品だけではなく人員の応援も非常に心強く感じているところです。迷った時には相談できるだけでなく、日頃から指針を打ち出してもらうICTの存在は私たちを安心して業務遂行できる要でもあります。
今回、感染や災害対策として、サーバーからクラウドへ変更したことで、タブレットを各自が持参し、利用することのメリットは大きかったと感じています。
また、細かいことですが利用者さん、家族へ感染に関してのお願い文を渡し、もしも事業所からの訪問が難しくなった時の利用者・家族のサービスに対する意向を確認し書面で残すことは行っています。
毎日の業務の一環として行っている事は以下の通りです。
1.出勤時体温測定・体調確認
2.訪問時の手洗い、マスクとアイシールドの装着
3.清拭・入浴介助・おむつ交換やストマ介助の際はエプロン装着
4.ケア中、終了時の手指消毒
5.訪問車のアルコールクロスでの拭き上げ
6.ステーションの出入り口の手指消毒
7.iPad使用にて極力荷物も持ち込まない。
8.各デスクはアクリル板で仕切る。
9,休憩室への出入り時間等の記載、2人以上で休憩しない、隣り合わせでの食事をしない、
10,体調不良時は出勤しない、プライベートでも県外へ行く時は連絡する
感染対策に留意するなど当たり前のことがきちんとできるよう各自気をつけています。
〇今後の方向としては、利用者を最優先としていたが、BCPの整備をスタッフの生命と安全を最優先に考え、訪問看護を提供する事で利用者の命と生活を守る事と視点を変えて、準備していきたいと思います。
福岡県済生会 訪問看護ステーションなでしこ
徳永 はるみ
TEL 0944-53-3000
FAX 0944-56-5858