ドクター&ナースのつぶやき
令和6年10月号
多職種連携
暑さ寒さも彼岸まで。などといいますが、今年の夏は暑かったぁ。いや暑すぎました。秋の彼岸が来るのを待ちに待ったのですが、彼岸が過ぎても暑い日々は続き、ホントに今年の暑さには参りました。ちなみに暑さの酷い順に表現すると極暑・酷暑・炎暑・激暑・大暑・盛暑・烈暑・熱暑・厳暑・甚暑・猛暑・蒸暑・薄暑となるそうです。皆様におかれましては極暑のなか日々の訪問活動お疲れ様でした。しばらくはエアコンの要らない快適な日々を存分に満喫したいですね。
さて、今回いただいたコラムのテーマは「多職種連携」。もう何度も聞いた言葉ですね。訪問看護における多職種連携とは、医師や看護師・ケアマネジャーなどさまざまな分野の職種が連携し、共通の目的を達成するために協力することを指します。この多職種連携は医療界だけではなくほぼすべての業種、業界で実践されている重要な任務のひとつだと思います。
例えばお家を建てることを想像してみます。自分のお家を注文すると建築会社の設計者と何度も顔を合わせて打ち合わせを重ね、自分の理想とする家のプランを設計者とともに完成させます。設計者の仕事は、設計図が完成したら終了するイメージかもしれませんが、実は工事が始まってからも「監理者」という立場で設計者の仕事は続きます。監理者となった設計担当者は、設計図通りに工事が行われているか確認する。現場監督と打ち合わせを行う。現場の進捗状況などをお家を注文した建築主さんへ報告する。建築主さんの代理として現場で指示を行う。我々の業界で言うとケアマネジャーさんでしょうか。
そこから実際に身体を動かして工事を進めるのは多くの、ホントに多くの職人さんたちです。それぞれの道のプロフェッショナルである職人さんがそれぞれの技術や知識・知恵を持ち寄って、理想のお家が完成するのです。
その職人さんたちとは、■解体工■地質調査会社■鳶■墨出し工■鉄筋工■型枠工■大工■断熱工■防水工■外装工■瓦工■板金工■鉄工■ガラス工■金属製建具工■建具工■内装工■ユニットバス・キッチン取り付け工■畳店■タイル工■家具工■水道設備工■電気設備工■ガス設備工■外構工■庭師■石工■産業廃棄物回収会社■補修工■ハウスクリーニング業者などなど。
ここまでお伝えした職種は、なんと30種類以上!それぞれの仕事がリレーのようにつながり、責任を持って連携することで理想とするお家ができあがることを考えると、本当に尊いですね。
このお家をもとにした多職種連携のお話ですが、三谷幸喜さんの映画「みんなのいえ」を見ていただくと、とても参考になります。ちょうど秋。秋の夜長に一度鑑賞してみてはいかがでしょうか?
最後に、連携を取る際に大切なことをある先輩から教えていただきました。それは、連携する方々をリスペクトすること。そして自分の「役を知り、役に徹し、役を超えない。」ことだそうです。「役を知り」とは、今日の自分の役割、役目をよく理解することです。 「役に徹し」とは、今日の自分の役割を知ったのならば、その目的達成に徹すると言うことです。 「役を超えない」とは、自分の役割以上のこと、つまり人の役割を侵さないということです。深い言葉ですね。利用者さんの理想のくらし実現のため、バトンを渡されたひとりとして責任ある多職種連携を実践していきます。
訪問看護ステーションせらび
理学療法士 松本大輔