ドクター&ナースのつぶやき
令和6年2月号
在宅の看取りについて
良創夢訪問看護ステーション
看護師 末川麻美
作業療法士 黒田隆之
良創夢訪問看護ステーションは「良い夢を創る」の理念に基づいて活動しています。看護師とリハビリ、専門職の協働が必要不可欠で、医療的ケア児や難病、癌の方などに協働的に関わる事で利用者様とそのご家族が取り戻したい生活、理想とする生活を目指して支援しています。
今回、私達は0歳の人工呼吸器管理のお子様(A君)を担当させて頂いてます。A君への関わりとして、まず最初に退院前に病院とご自宅へ伺いました。病院でのケア内容や使用物品、指導内容、医師の指示などの情報共有を行いました。ご自宅では実際に使用する物品の置き場や家具の配置場所、電源等を確認し、ご両親と共に生活スタイルに合わせてケアしやすい環境調整を行い、退院後も、医療的ケアに対しては看護師が、生活環境面に対してはリハビリが主に関わり、役割分担をしながら支援を継続しています。
退院後はお母様を中心にケアを行われます。医師の指示範囲の数値の変化でも、数値が変わると不安になられてましたので、担当間で言語統一行い、お母様が落ち着いて対応出来るよう、細かく日々の観察や数値の変化時の対処方法、ケアの仕方を毎日お伝えしています。受診や訪問診療時には医師へ児の状態とご家族の状況を報告し、説明内容を統一して不安の解消に努めています。
リハ職では、ご家族が安心して医療行為を行いながら、兄弟児も合わせて生活空間が共有出来るように調整行っています。ご両親からの「添い寝がしたい」という希望とベビーベッドで過ごされていた環境であったため、高さも低くケアもしづらい状況でした。福祉用具部門と連携して、ベッド環境の調整を行い、本人とのベッド内での位置関係などをお伝えしています。兄弟児との関わる時間を増やしたい、家族が一緒の空間で過ごせることを考え、ベッド上での呼吸状態を含めたポジショニングとギャッジアップの使い方をお伝えすることで、兄弟児が絵本を読み聞かせる時間が生まれました。また、人工呼吸器などを搭載できるようにベビーカーを工夫したことで家族で散歩できるようにもなっています。
他にも保健師への相談、福祉用具の調整、災害時や緊急時の対応等を細かく継続して行っています。
対象者が望んだ生活が送れるように支援する事。役割を全うする事。それらを行なっていく事で、他職種連携がスムーズに行われ、生活を支える基盤となっていると考えます。
私達は「日日是好日」毎日が大切な1日であると言う考えを大切にして支援を行なっています。