ドクター&ナースのつぶやき
令和5年6月号
子ども達と家族の方への支援について
訪問看護ステーション悠 内田 博之
訪問看護での小児の支援を紹介する機会を頂き、紹介させて頂きます。
訪問看護ステーション悠では、医ケア児のお子さんやご家族だけでなく、発達の遅れや発達障がいをお持ちであるお子さんやご家族の支援も行っております。地域に児童発達支援事業所や放課後等デイサービスはありますが、筑豊地区では個別の支援や家族支援の必要性から、地域の保健師さんや相談員さんから支援に繋がることが多いです。
支援としては、姿勢の安定性や身体のイメージなど運動面の発達の支援や、手先の使い方や道具操作を伸ばす支援、語彙や表現の学習などコミュニケーションの支援、食事動作や更衣動作など日常生活動作のできることを増やす支援、眼球運動の改善など学習面の困りごとの背景要因の改善などを行っています。ご家庭で遊具を使って身体を意識して操作してもらったり、机上課題の中で道具の工夫など段階付けしながら手指操作や道具操作、セラピストとのやりとりを促しながら、お子さんの興味のあるものを通し、楽しみの中で様々なことの学習を図っています。また、就学したお子さんでは、ご家庭や学校での困りごとから、行動調整や学校への行き渋りなどに対して、自分の強みや弱みの把握、感情のコントロールなど自己認知支援をしております。
家族支援として、ご家庭や園・学校での子育ての悩みに対してお話を聞きながら、主観的な評価だけでなく、客観的な評価も利用しながら、その悩みに対しての背景要因やお子さんの困りごとの背景要因を一緒に共有し、具体的な関わりや環境の工夫を一緒に考えて支援しています。実際に生活するご家庭での支援なので、一緒に関わりや環境の工夫も考えやすいことが、訪問看護の中で支援の強みと感じております。家族支援として、お子さんの発達状況や成長している部分を共有もでき、保護者や兄弟など様々な家族の方にもお子さんのことを知ってもらえる機会にもなり、家族間での話せる機会や関りを変える一因にもなります。
また、訪問看護の中での支援について、園や学校、事業所(児童発達・放課後等デイ)とも共有したり、役割分担など連携していくことで、お子さんの支援に繋がると共に、この連携がきっかけで、家族の方が動き始めたり、変わり始める姿が見られることも、この訪問看護の中での支援をしていて、嬉しく思うところになります。
今後も、この訪問看護の中での支援を通して、お子さんの成長をご家族の方と一緒に悩み、考えていきながら、成長する姿を一緒に共有していければと思います。