ドクター&ナースのつぶやき


                              令和5年5月号

    認知症ケア、地域で支える事を考える               画像2.jpg

訪問看護ステーション コスモ  西村 恵

 私たち、訪問看護ステーションコスモは看護師18人・リハ職員8名・事務1名 総勢27名で北九州全域を対象に訪問しております。事業所内には、ケアプランの併設もあるので連携とスピードを持って様々なご依頼に迅速な対応を心がけ、業務に取り組んでいます。
 コスモの特色としては、比較的年齢層の若い(?笑)20歳台~40歳台のスタッフが主軸になり明るく元気に想いは熱くチーム一丸となり日々の活動を行っております。

 今回、認知症ケアについて改めて考える機会を頂きました
 ほとんどの高齢者の方は、住み慣れた自宅で可能な限り過ごしたいと願っています。認知症の方であってもそれは同じです。しかし、さまざまな事情から、将来的に施設を利用したり、入院しなければならない状況になるかもしれない。認知症を発症したからといって、すぐに施設に入所できるわけではありません。ステーションにケアマネさんから連絡が入ります。
 「認知症の方です。独居で暮らしている、ご家族様は遠方です。お薬管理も出来てません。生活も荒れてます。お部屋は大変なことになってます。いろいろな病気もあるので体調管理を希望します。訪問看護さんお願い致します。」と連絡が入ります。
 まずは信頼関係の構築から。ゆっくり時間をかけて関わりを深めていきます。当たり前ですが最初は拒否です。何でも自分で出来ている。困った事は何もない。こなくていい。何なんだあんた達
 このやりとりを繰り返しながら、毎週、毎月、半年、一年とかけて定期的な訪問を繰り返して訪問看護がしっくりと馴染んできます。日々の生活の中でも様々な事が起こります。〇〇さん宅に訪問に来たけど自宅にいません。連絡がつきません。近くのスーパーにいました。ご本人様の生活習慣を知る事で、生活圏内、行動範囲も熟知してきて、居場所が分かるようになる。訪問が繰り返される事により、徐々に訪問看護さんはご本人様にとって安心できる存在になり、今度は頼られる存在へと移行します。時には警察の方にもお世話になり、CMさんや、住民の方々、民生員さんとの関わりも重要となり、日々の連携を繰り返す。

 認知症のケアは、ご利用者様との関わりを通して、地域で支える事の大切さ、信頼関係構築の大切さを実感します、訪問看護はその方にとってかけがえのない存在になりいろいろな状況に柔軟に対応しながら生活を、健康状態を評価しサポートする。訪問看護を通して人と人との繋がりを大切にする。結果その事が、あるがままの環境と、地域で、自宅での生活を送る事ができると考えます。

 想いに寄り添う。出来る限りの事を考えながら、柔軟にケアを行う事、共に過ごす事。とても大切な事だと実感し、訪問看護に取り組んでおります。

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