ドクター&ナースのつぶやき

 

平成27年4月号

訪問看護ステーションいちばん星  所長
山下 郁代

1. ステーションPR・特徴
 いちばん星は、平成19年に小児専門の訪問看護ステーションとして開設されました。
平成26年に志免に第二事業所としていちばん星Kidsを開設しています。粕屋宗像地区全域約100名のお子様の家に訪問に行っています。現在はNICUからの退院のお子様が多く0歳~3歳までのお子様がほとんどです。療育を目的とする児童発達支援センターと放課後デイサービス、相談支援を併設しています。
 NICUからの退院、初めての子ども、初めての育児、それに加えて人工呼吸器、胃チューブ、吸引など医療ケアにご家族は戸惑いを隠せません。目の前の事に必死な毎日の中、将来への大きな不安や情報に押しつぶされそうになります。そんな時私たち小児専門の訪問看護師が、お伺いして専門の知識を提供します。また子育ての先輩として、同じ子育ての仲間として、役に立つこともあるかと思います。
 医療ケア、育児支援、家族支援、リハビリなどそれぞれのライフステージに即した支援を提供しています。また成長発達を見据えた情報提供などを行い、できるだけ地域に、社会参加出来る様に考えています。

 病気や障害があっても、子どもであるということは変わりありません。
子どもたちは、できるだけいろいろな事を経験したい、祖父母や兄弟、お友達と遊びたい、季節や行事、楽しい事をたくさんしたいと思っています。その思いを叶えるために、たくさんのおもちゃや、絵本、楽器や制作物などを持って訪問に伺っています。そこで子どもと一緒に遊び笑顔を引き出し、ともに学び育っていっていると感じています。

 生活が落ち着き安定したら、地域につなげる事も大切です。その中の一つにいちばん星の通所施設があります。利用者の方は、先輩お母様の経験や頑張っている仲間の存在は欠かせません。その窓口として赤ちゃん会のような交流会を年に数回実施しています。元気をもらったお母様が、後輩お母様に張り切って教えている姿は微笑ましくうれしくもあります。それぞれの在宅生活の頑張りや工夫など情報交換の場として交流会や毎月お便りが利用されています。看護師、リハスタッフ、保育士などそれぞれの視点から関わり地域で子ども達が育っていっています。もし一人で悩んでいる方がいたら是非ご紹介下さい。ここには、たくさんの仲間や応援してくれる人、一緒に考え喜んでくれる人がいます。
 勉強会も毎月実施しています。保護者を交えて、近郊の教育機関に声をかけたりもしています。是非ご参加下さい。

2.困っていること・事例など
 小児は、介護保険ほど支援の体制が整っていないのが、現状です。小児を受け入れてくれる在宅診療医が少ない事、福祉制度やベット、専用の椅子などの福祉用具も申請に規制があり不自由な思いをしています。また家族が具合の悪くなったときなど子どもを預けるレスパイト施設が無いことも課題です。
 私達ができることとして、声を上げていくこと困っていることを伝えていくことだと思っています。ひとつでも、預かり先を確保しようと働きかけています。
 在宅生活は、困ってばかりもいられませんので、工夫が必要です。みんなで知恵を出し合い、小さくなったものなどを譲ってもらったり、子どもの身体に合わせ修正し、作成できるものは、作成しています。

3. 今話題になっていること
 訪問看護といえば高齢者、緩和ケアなどで、小児にスポットが当たることの少ない部門で肩身の狭い思いをしてきました。しかし伝えることも私達の役割と思い連絡会や研修などに足を運び、声を上げてきました。少しずつですが、皆さんの意識が「小児」に向いてきてくれたように思います。「小児の在宅支援」が話題になってきているのでしょうか、見学や実習依頼も多くなり嬉しい毎日です。
 訪問看護ステーションは地域にあるのがいちばん良いと思います。30分圏内の訪問が理想です。小児を受け入れる訪問診療や看護が増え情報交換や協力し合うことが出来る様になるといいと思っています。
      

4.地域の特色
 新宮町はIKEAの影響もあり、今まさにマンションが立ち、人口が増え続けている町です。買い物に困ることはなく、ソピア新宮やシーオーレ新宮など文化施設もあります。
 子どもの福祉施設として、療育支援センターいちばん星があります。
 現在、訪問からいちばん星の通所に移行し、放課後デイサービスを経て、中学の部の通所に通っている子どもがいます。みんなたくましく成長しています。子ども達の元気な姿、成長を見ることは私達の大きな喜びです。
 いちばん星を知って下さい。そして遊びに来てください。
 たくさんの笑顔に出会えると思いますよ。                          

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