ドクター&ナースのつぶやき

 

平成27年8月号


宗像医師会 理事
こじまクリニック 院長
小島 武士

 平成21年より継代にて当クリニックでの一般外来診療と在宅医療を行っています。当院には訪問看護師の確保ができておらず、宗像地域の各訪問看護ステーションと連携しています。訪問看護ステーションの皆さんには、24時間対応、ファーストコールを受けて頂いており、いつも頭がさがる思いでいっぱいです。心より感謝申し上げます。訪問看護ステーションと連携する際には、宗像医師会在宅医療連携拠点事業「むーみんネット」の、スマートフォンによる多職種間情報共有システム「むーみんネットシステム」を利用しています。むーみんネットシステムは高いセキュリティを確保しており、SNS形式の対話機能や、情報更新と同時に関連利用者にメールで通知を行う機能、バイタルなどの所見や投薬内容、画像の入力情報を各事業所毎の様式で紙ベースに印刷できる機能などを揃えており密な連携をとる上で欠かせない手段となっています。
 在宅訪問診療を行う上では患者さん、ご家族が安心・安定した生活ができるよう努め、今後の予測を可能な範囲でたてて対応を協議・説明し準備しておくことをモットーとしております。今後の予測と準備の部分では発熱や疼痛増強等時の薬品の整備・配置から入院加療の必要時の後方病院の確保、看取りの仕方などが挙げられます。後方病院の確保に関しては、近隣の医療機関へ協力をお願いしてスムースな連携がとれてきています。むーみんネットの宗像医師会病院バックベッドシステムは患者の了承を得た上で、受診歴のない方でも事前に登録することで必要時の入院が24時間対応で可能な体制を構築できています。当院は1人医師の診療所です。不在時の対応に関しては近隣の医療機関と連携がとれております。その際むーみんネットが構築したシステムを利用しています。これはあらかじめフォーマット化された在宅用診療情報提供書を利用して代診医へ情報提供を行い、事前に代診の際の診療報酬算定方法を決めておくやり方です。これにより以前に比較し気兼ねなく依頼できるようになりました。
 2025年問題に向けて地域包括ケアシステムの構築が急がれるなか在宅医療の依頼が増加しているのを実感する今日この頃です。現在は基本的には週1回木曜日の午後全部と別曜日の午後の一部を訪問診療時間として対応しておりますがパンク寸前となっています。本来なら別曜日の午後全部など十分な時間を確保すべきところですが、不定期に遠方への公務の会議出席等々があり、それがかなわない状態となっています(などとどうしようもない愚痴をこぼしてしまい申し訳ございません)。しかし「すべてが必要な事、できることをやっていくしかない」と自分に言いきかせ精進していく所存です。

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