ドクター&ナースのつぶやき
平成27年11月号
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(株)ハートウェイ |
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H27年1月に小倉南区下貫にアウル訪問看護ステーションを開設いたしました。現在スタッフは、看護師4名(常勤3名、非常勤1名)、理学療法士2名、事務員1名の計7名で行っています。 |
これまでの10ヶ月で係わった利用者さんは41人で、がんのターミナルの方、脳血管障害、認知症、腎不全、糖尿病と様々ですが、なかでも私の心に残っている一症例をご紹介させていただきます。70歳代の肺がんのターミナルの女性です。訪問当初は、在宅酸素をしながらも家の中は自由に歩ける状態だったため「一週間に一回も来てくれなくていいですよ。来てほしい時は、私の方から連絡します。」と言われ、元来の人嫌いな事もありなかなか訪問出来ない為、病状もうまく把握出来ない状態が続きました。主治医から「焦らなくていいよ。いずれは看護師さんに来て欲しいと思う日が来るから。」と励まされながら、根気強く接していきました。徐々に病状が進行していくにつれて、麻薬の持続皮下注射が開始となり酸素流量も増えていく中で、「あなたが来てくれないと淋しいから明日も来て下さいね。」と言われるようになり、また「苦しいから今から来てください。」と夜間の緊急訪問も増えていきました。開設したばかりで、訪問看護ステーションの管理者として未熟な私ですが、スタッフ全員で精一杯お世話をさせていただきました。彼女の最期は自然で、息を引き取られた後も主治医を待つ間、ご家族やお友達でベッドを囲み、時には笑顔で彼女の思い出話をして過ごしました。病棟勤務が長かった私にはある意味衝撃的で、これが本来の「死を迎える姿」なのだと感じました。
老いても障害があっても
当ステーションのスローガンです。
福朗 福籠 不苦老・・・・‘ふくろう’がいい❤
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