皆様、初めまして一般社団法人Q-ACT北九州の植村です。アクトってご存知ですか?恐らく初めて聞く方が多いと思いますのでここで少しアクトについて説明させてください。
<ACTについて>
一般的に"アクト"と呼ばれていますが、「Assertive Community Treatment」の頭文字を略した言葉であり、日本では「包括型地域生活支援プログラム」と訳します。このプログラムは、重度の精神障がい者を対象に、地域社会の中で自分らしい生活を実現・維持できるよう、医療・福祉・就労を含めた生活支援全般を行うもので、現在日本では約25チームが全国各地で活動しております。看護師、精神保健福祉士、作業療法士、就労支援の専門家、精神科医、ピアスタッフなどによる多職種チームが精神科病院、自宅、職場など、生活の場に訪問し本人やご家族の支援を行っていきます。
また、ACTで一番重要なことは、支援目標を"心身の健康"と考えるのではなく"本人の望む幸福"とし、病気や障がいによって出来なくなったことへ焦点を当てるのではなく、病気や障がいを持ちながらも出来ること、その方の好きなことや、やってみたいと思うことなどの希望や長所(ストレングス)に焦点をあて、自立を支援していくということです。
<ACTの活動・支援内容について>
ACTの具体的な支援内容としては、一緒にカラオケや買い物などの外出を行ったり、薬や病気についての相談に乗ったり、年金や生活保護などの手続きを一緒に行ったり、家族関係や恋愛・友人関係の橋渡しを行ったり、仕事探しのお手伝いや住まい探しのお手伝い、リハビリテーションやスキルトレーニングなど、利用者個人に合わせたオーダーメイドのプログラムで、自分らしい生活を取り戻し、精神障がいをもちながらも成長し、自分の人生に新たな意味や目的を見出していけるように支援を行っています。
<Q-ACT北九州の特徴>
① 家族のバックアップで立ち上がったチーム
もともと当法人は、福岡県内の家族会の方々の強い要望により、全国から志をもった専門職が集まり立ち上がりました。現在も県内各地の家族会代表者の方に法人役員を担っていただき、宣伝及び後方支援と第三者評価的役割りとしてチーム運営の大きな助けになっています。
② 実践と経営の両方をチーム全員で担う
当法人ではチームごとにスタッフ全員で経営を担っています。雇う側と雇われる側の関係をチーム内で作らないことで、本当の意味でのチームアプローチが可能であるという考えがあったのと、自分たちの食い扶持は自分たちで稼ぐという強い意志があったからです。
③ チームDrを置かず、地域の精神科医と連携してACTを実施
本来ACTプログラムではチーム精神科医がいて、利用者全員の主治医として関わります。つまりACTを利用するためには主治医をACTのチームDrに変更しなくてはなりません。しかし当法人のACTチームでは、チーム内にDrを置かずに運営をしています。その分医療的支援における連携の必要性や手続きの煩雑さなどのデメリットがありますが、利用者からすると主治医を変更しなくてもACTを利用できるという大きなメリットがあります。
④ 精神科訪問看護ステーション、相談支援事業、共同生活援助の制度を活用
諸外国ではACTプログラムは一般的ですが、現在の日本にはACTという制度はありません。そのため各地で様々な制度を活用してACTプログラムを実施しているのが現状です。当チームでは上記3つの事業を活用して、ACTプログラムを展開しています。
<今後の展望>
北九州では、精神障がい者家族会をはじめとする多くの方がACTの支援を心待ちにされている心情がとても伝わってきます。私たちもそのご期待に応えられるよう、丁寧な支援を心がけながら少しでも多くの方にサービスを提供していきたいと思っています。
また、ACTは社会資源の一つにしか過ぎず、ACTだけでその方の人生全てを支えることはできないため、多くの関係機関の方々との連携が必要となってきます。Q-ACT北九州は平成26年4月に開設し1年8か月が過ぎました。まだまだこれからのチームなので、地域の精神医療・保健・福祉に携わる方々にご指導いただきながら、チーム全体が成長していけたらと思っています。
今後の展望としては、福岡県内のどこに住んでいてもACTの支援が必要な場合にはサービスを受けられるよう、1チームずつ着実に増やしていき、どこのACTを利用しても質の変わらない支援を提供できるようにと考えています。
そこで、皆様にご相談ですが、このつぶやきを見てACTに少しでも興味がある、やってみたいと思われた、看護師さん、作業療法士さん、精神保健福祉士さん、現在スタッフ募集中ですので、もっと話を詳しく聞いてみたいと思われた方は是非下記までご連絡下さい! ご連絡お待ちしています!
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