ドクター&ナースのつぶやき

 

平成28年2月号

地域包括ケアシステムへの想い


大川三潴医師会 大川三潴訪問看護ステーション
宮原 和華子

 日本は、世界一の高齢社会と言われています。
 日本の高齢化のスピードは、世界一と言われています。しかしそのスピードがとてつもなく早いそうです。また高齢化率と言う言葉をよく耳にします。
 高齢化率とは、65歳以上の人口が全人口の何%を占めるかと言われるものですが、内閣府より出された資料(平成26年)によれば総人口が減少する中で日本の高齢化率は、26.0%まで上昇。世界では類を見ない数字となり、且つこれは世界のどの国も達成していない数字となっているそうです。
 
 私の職場の大川市は、県南西部に位置し、木工業と農業・漁業で栄えてきたところです。昨年の高齢化率は、32.2%に達しています。
 私はこの数字を見てこの先とても不安になりました。私にも「老い」は必ずやってきます。これからの生活はどのようになるのでしょうか・・・。お先真っ黒で、未来がありません。
 また内閣府の資料(平成26年)によれば高齢者1人に対して現役世代2.4人で支え合っていたことが、平成72(2060)年には、高齢化率は39.9%に達し2.5人に1人が65歳以上となり、現役世代1.3人で1人の高齢者を支える社会が到来すると予側されています。少子化の進行による生産年齢人口(15~64歳)の減少もあり大きな負担を課せる結果となります。

 しかし今、各地域で高齢者が住み慣れた地域で、安心して元気に暮らせる場所づくりを目指し「地域包括ケアシステム」の構想が動き出しています。
 30分以内に、医療・介護・生活支援などの必要なサービスが提供できる日常生活圏域が単位として想定されています。

 住み慣れた我が家が病院や施設のように必要になった時、直ぐに駆け付けて対応してもらえれば、安心して笑顔で暮らせることでしょう。
 今は支える側にいる私ですが、「訪問看護」という仕事を通じて、今出来る事、今やらなければならないことなどたくさん抱えています。まずは現実と対峙しながら近い将来を見据えて使命を果たしていきたいと思います。

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