ドクター&ナースのつぶやき

 

平成29年2月号

 アムナス博多訪問看護ステーションは2006年4月に開業し、お陰様で昨年4月に開業10周年を迎えました。重度の障害や医療依存度の高い方々の安心・安全な在宅療養を支援したいと考え、2交代制で24時間365日、昼夜を問わず計画的訪問看護を提供するステーションの実現を目指して開業しました。当初は医療機関に医療連携室が設置され始められた頃で、殆どの連携室から「訪問看護の夜間のニーズなどない」と言われました。ところが、夜間のご利用者の第一号は連携室を通してではなく、ご家族から直接ご相談をいただき、「人工呼吸器を装着しているが自宅に帰りたがっている。あちこち探しているが夜間対応してくれる事業所が見つからない」とのことで、予定の開業日を前倒しして夜間のサービスが始まりました。
 それから、10年以上になりましたが、年末年始を含めて夜間帯の定時の訪問がなかった日は一日もありません。夜間の訪問をしているためか、ご利用者の第一号がそうだったように、人工呼吸器を使用している方からの依頼が多く、人工呼吸器装着者は常に7〜10名程度いらっしゃいます。殆どが神経筋疾患の方で、40代の男性2名は一日3〜4回の訪問看護と重度訪問介護を利用して一人暮らしを実現され、生後7か月で退院してきた男の子は小学3年生になり、2歳で退院してきた女の子は弟もできて、今年の春から中学生です。このように、重い障害や高度な医療を必要としていても、大好きな家族に囲まれ、或いは、一人暮らしを実現するなど、それぞれの人生を送っていらっしゃいます。日々の生活にはご本人やご家族のたくさんの苦労と喜びが詰まっています。そのような方々の普段の生活が安全に安心して送れるように、出しゃばらず、信頼されるステーションを目指してきました。
 現在では、人工呼吸器装着者は8名、そのうち、小学生以下は5名です。最近では人工呼吸器や気管切開など医療依存度が高い小さなお子さんも増えてきていて、3歳未満のお子さんが7名いらっしゃいます。
 職員体制は、常勤看護師7名、非常勤看護師1名、常勤介護職1名、非常勤介護職2名です。常勤看護師は全ての利用者に対応できるようにしていて、常勤看護師の二交代制で24時間365日、訪問看護を提供しています。小さなお子さんが多いことと、重度の障害や医療依存度が高い方が殆どなので、個別性が非常に高く、体位交換や移乗の仕方は勿論、吸引やバギングの仕方もそれぞれに異なります。看護職員がそれらを身につけるには時間を要すため、採用時の研修と同行指導にはかなりの期間をかけています。また、夜勤があること、人工呼吸器装着者や乳幼児、小児が多いことなどから、職員の募集に対して応募者がなかなか来ないこともあり、人材紹介会社を利用することが殆どです。このように、膨大な採用コストは経営を圧迫しますが、採用時の研修、同行指導はご利用者、ご家族は勿論、職員の安全・安心も支えるものですし、重度の障害や医療依存度が高い方々への訪問看護サービスの質を保つためには不可欠なものだと考えています。
 これからも、昼夜を問わず、必要な時に必要な訪問看護を届けることで、重度の障害や医療依存度の高い方々が、家族に囲まれ、あるいは自分の望む場所で、安心して療養生活を送れるように、今後も職員全員で頑張っていきたいと思っています。

 株式会社 マイケア

 アムナス博多訪問看護ステーション

 管理者 野田洋子

 〒 812-0018
 福岡市博多区住吉3-9-1-711

 TEL  092-273-1028
 FAX  092-273-1042

 E-mail mycare0504@amnus.co.jp

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