ドクター&ナースのつぶやき

 

平成30年9月号

 聖マリア訪問看護ステーションは、久留米市に1993年に開設されました。設置母体である社会医療法人雪の聖母会の基本理念「カトリックの愛の精神による、保健・医療・福祉の実践」に基づいて、療養者や家族が住み慣れた地域や家庭において、安心して生活が出来るように看護サービスを総合的安定的に提供し、療養者のQOLの向上と心身の機能維持向上、保健・医療・福祉との連携を図ることを目的に日々、訪問看護に取り組んでいます。
 職員は、看護師15名・保健師1名・非常勤看護師1名・理学療法士5名・作業療法士4名・非常勤作業療法士1名・言語聴覚士2名(聖マリア病院兼務)であり、機能強化型訪問看護管理療養費Ⅰも平成28年に算定可能となり現在に至っています。今年4月1日には、大木町にサテライトおおきを開設し、より地域に密着した訪問看護が行えるようになりました。その頼もしいスタッフたちが19台の公用車を駆使し、積極的に訪問看護に取り組み、延べ1200件以上/月の訪問看護に頑張ってくれています。特にこの夏は猛暑の中、あるいは豪雨の中、管理者としてはスタッフたちが無事に訪問を終えて帰所するまで、気を揉みながら日々を過ごす毎日でした。豪雨災害に遭われた地域の皆様には心からお見舞いを申し上げ、さらに、その様な状況の中で役割を果たすべく訪問看護に取り組まれた皆様には、心からの尊敬の念を持ち、是非その実践をレクチャーして頂ければ幸いだと考えています(9月の連絡協議会で早速研修会がありますよね)。
 さて、当事業所の特徴についてもう少しお伝えしたいと思います。乳幼児から高齢者まで、医療ケアを伴う様々な病状の方々に訪問看護を提供させて頂いています。特に超重症児・準超重症児は29名/月(174名/月利用者中・7月末)おられ、久留米市が行っている学校訪問看護支援事業による小学校への訪問看護にも取り組んでいます。
 在宅で療養している子供たちの成長発達は、保護者の方々には何よりの喜びだと思います。当然私たちにとってもそれは大変な喜びであり、訪問看護のやりがいにも繋がっています。特に誕生日というイベントは特別で、「何とかして私たちの嬉しい気持ちを表したい」とスタッフ一同手作りのメッセージカードやボード(参考1)を作成しています。いろいろなアイデアを持ち寄り、工作が得意なリハビリスタッフに手伝って貰いながら仕上げていきます。保護者の皆さんも喜んでくれて、お部屋に飾ってくれています。


(参考1:メッセージカード・ボード )
 

 また、当訪問看護ステーションの理念の実践に向けた取り組みを表すために、可愛いパンフレット(参考2)も一昨年に作り直しました。法人の在宅・介護事業部として、聖マリア訪問看護ステーション・聖母の家(老健)・聖マリアケアプランサービス・聖マリアヘルパーステーションと一緒に絵本の形になっています。それぞれの役割を分かりやすく説明し、とても見やすいパンフレットではないかと思っています。是非、機会があれば見て頂きたいと思います。


(参考2:パンフレット)
 

 パンフレットの中には、下記のように訪問看護師について述べられた文章があります。
 <高い職業倫理を求められる訪問看護>1)
【病院看護に比べて、訪問看護は一人で担当、訪問し、その病状に応じた幅広い看護知識・技術と総合的な判断力を求められる度合いが高い。実際、自分一人で「この患者さんのすべて(時には看護の領域を超えた日常生活まで含めて)の面倒をみる、という強い倫理観と責任感がないとなかなか務まらない仕事である。】
【高いコミュニケーションの能力も求められる。利用者の家の中に入り込んでダイレクトに仕事をする以上、利用者と訪問看護師の距離の密度は一番だろう。】

 訪問看護師のアセスメント力の向上と看護倫理への理解を深める取り組みは、今後もより重要となってくると思います。多くの得た情報をどのように利用者のために活用していくのか、常に考えながら訪問看護に向きあっていきたいと思います。月1回ケースカンファレンスの開催・当院が行う看護師の特定行為研修受講を継続する事で看護の質向上に努め、地域に求められる訪問看護ステーションを目指していきたいと考えています。これからも、皆様のお力添えを頂きながら頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。
 
  社会医療法人 雪の聖母会
聖マリア訪問看護ステーション
 管理者 二田 佳支子
 〒830-8543
  福岡県久留米津福本町422
  TEL:0942-39-8903
  FAX:0942-35-3738
 
1)大藪毅:訪問看護という仕事の可能性を拓く,訪問看護と介護,vol,16 no,5 .2011.
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