ドクター&ナースのつぶやき

 

平成30年10月号

 みなさん、こんにちは。「せいてつ訪問看護ステーション」の所長 甲斐幸子です。
 北九州市の世界遺産となっている官営八幡製鐵所は1901年に操業を開始、日本の近代化の貢献し、産業都市・北九州の発展の礎を築きました。そして、今もなお創業期の4つの建物が残されており、2015年に世界遺産登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産となっています。ぜひ、みなさんも一度見学に来られて下さい。
 私どもの製鉄記念八幡病院は、1900(明治33)年10月に官営製鐵附属病院として開設されました。そうなんです。官営八幡製鉄所よりも先に病院が開設されたのですが、どうしてかと言うと、八幡製鐵所を建設する際に作業する方達の怪我や病気に対応するために建てられたそうです。構内にあった官営製鐵附属病院も1908(明治41)年に現在地に移り、1913(大正2)年には看護師養成所を設置し、今もなお看護学校は存続し沢山の看護師を世に送り出しています。
 2025年に向けて国が提唱する「地域包括ケアシステムの構築(医療・介護連携、ときどき入院・ほぼ在宅)」を背景に、急性期医療を中心としたトータルヘルスケアシステムの確立に向けた対策として、2016年1月「せいてつ訪問看護ステーション」は急性期病院である医療法人 製鉄記念八幡病院に併設されました。
 急性期診療の経験豊富な看護師を配置していますので、退院後に訪問看護が必要となる患者を中心に質の高い看護を提供出来るよう日夜頑張っています。
 開設当初は4名の看護師(内1名管理者)で稼働していましたが、利用者の増加に伴い、2017年4月には新たに看護師を1名(16時までのパート)増員しました。当ステーションの看護師は母体の病院からの異動ですので、病院と併設訪問看護ステーションとで定期的な人事交流を双方の看護師のスキル向上を目的に行っています。
 病院併設の利点を活かし、訪問時に状態変化があった場合には医師に報告し指示を仰ぎ、利用者が外来受診時には連絡用紙を用いて双方の情報提供を行い、状態の改善・維持に努めています。また、訪問看護を導入する利用者にとって 退院前カンファレンスは重要な意義をもつため積極的に参加し、病棟看護師等とともに退院後の在宅生活がスムーズに送れるよう調整しています。
 昨年からは併設の製鉄記念八幡看護専門学校の実習生を、今年はさらに病棟看護師と研修医の訪問看護研修を受け入れ、在宅療養の必要性を啓蒙しています。
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