『私の訪問看護師人生まだまだこれから』

株式会社フジケア訪問看護ステーション
管理者　恵良　宏美

　フジケア訪問看護ステーションは、平成18年1月北九州市小倉北区に開設され、今年15年目となります。そして、私の訪問看護師歴も15年目となります。今回執筆依頼を受け、過去を振り返ると、たくさんの方々との出会い、別れ、思い出があるなぁと感慨深くなりました。

　株式会社フジケアは、介護福祉サービスの複合施設です。基本理念は、「高齢者の一人ひとりが自立して、生きがいをもち、充実した毎日を営み続けることができる在宅生活を支援する」です。その一部署として訪問看護ステーションがあり、自宅をはじめ、住宅型有料老人ホーム、グループホームにも訪問しています。スタッフは、常勤3名、非常勤2名と小規模なステーションですが、「親切・丁寧・質の向上」をモットーに毎日頑張っております。又、会社の特色を活かして看護学生受け入れにも力を入れており、令和元年度は4校の学生を受け入れました。学生受け入れは、私たち看護師が自己を振り返るいい機会となります。ある学生より、「訪問看護師さんは、よく利用者さんの顔を見ている」と言われたことがあります。確かに病院時代では意識して行っていたことが、訪問看護では当たり前にできるようになっていることに気付きました。この当たり前が、訪問看護の魅力であり、寄り添う看護を行う基本となりえることだと思います。数年前、ある女性の看取りに関わらせていただいた際、看護師として、一人の人として、必要とされていると感じた瞬間があり、それ以来、訪問看護師は私の天職だと思うようになりました。看護師としては、たくさんの知識・スキルを要求されますが、まずは「人と人としての関わり・繋がり」を大切にしていきたいと思います。

　そんな私の最近の管理者としての悩みは、「経営の安定化」です。北九州市は、高齢者の多い地域でありますが、近年訪問看護ステーション数が約120か所となり、開設当初と違い訪問場所が限られてきており、利用者数が伸びない状況があります。今後より一層、地域総合病院・医院との連携強化、そして他の訪問看護ステーション・多職種事業所との連携強化に努め、地域に根ざしたステーションとして活躍できるように取り組んでいかなければならないと強く感じております。

　常に私自身が誰かに支えられ看護できていることに感謝しながら、今後も訪問看護師として頑張っていきたいと思います。私の訪問看護師人生まだまだこれからです。