ドクター&ナースのつぶやき

 

令和2年8月号

宗像医師会訪問看護ステーション

 

 みなさん、こんにちは。「宗像医師会訪問看護ステーション」管理者の高木と申します。
 私が管理者に就任して約1年10ヶ月が経ちました。そんな新米管理者がいつも考える事は「スタッフ皆がやりがいをもって働きやすい職場にするためには、どうしたらいいのかなぁ?」や「訪問看護に求められている内容って以前と変わっている様に思えるけど、この先どうなるのかなぁ?」「未来のスタッフに私達はなにが残せるのかなぁ?」といった事です。そこで、この疑問や私の思いをスタッフに伝えるため、つい先日ミーティングを開きました。
 テーマは①ステーションの今、②ステーションの歴史、③ステーションのこれから~未来に向けて~ です。

 まず、当ステーションは1994年に設立され今年で26年目を迎えます。スタッフ数は看護師16人、理学療法士1人、事務員3人で平均年齢は…割と高く24時間対応体制をとり、年間看取り件数は20~30人です。癌のターミナルや難病の方等医療依存度の高い方が多い傾向にあります。私達の強みは①勤続年数の長いベテラン看護師が多く歴史がある②スタッフ数が多いため、利用者のニーズに対応し易く柔軟である③がん看護専門看護師が在籍している④居宅介護支援事業所と併設し連携がとりやすい。その反面弱みは①スタッフの高齢化②地域住民へのアピールができていない③1人ひとりのスタッフの負担が大きいなどです。ステーションの現状や歴史、強みや弱みを皆で見つめ直すことで今後の課題が整理でき、私は改めてスタッフに支えられていると強く感じました。

 私の個人的な未来像は「古民家を改装し、通いやお泊りも出来る施設を造る」ことです。ALSや癌末期の方のショートステイや看取りが出来る施設で年を重ねた私達が働ける施設でもあります。現実的には難しいと思いますが、「つぶやきコーナー」なので呟かせてください(笑) また、強みの部分で「がん看護専門看護師が在籍」とあげましたが、彼女の存在は私自身に大きな影響を与えてくれています。スタッフの一員の時は、困難事例に遭遇しても経験値や「なんとなく」で対応していたことが、管理者になると全く内容が異なり、様々な角度から問題点を抽出し言語化する必要があります。彼女は専門的な角度から多くのアドバイスと知恵を与えてくれます。きっと同じように「困っている方をどう支援してよいのか悩んでいるステーション」は多いと思います。そんな同じ悩みを持つ訪問看護師同士が支えあえるような「何か」が出来たらいいなとも考えています。

 さて、コロナ禍において利用者様の考え方、価値観も大きく変わっている印象を受けます。「病院では面会者や時間制限があるので家に帰りたい。」「孫に会いたい。」など様々な理由で退院を希望されます。最近、新規依頼がご家族から入るケースが増え「今は、在宅の時代ですよね、高木さん。宗像は在宅医療がとても充実していると聞きました。」と話してくださいます。訪問看護は今まで以上に求められていると実感しています。縁あって出会えた利用者様や、ご家族様により良い医療や看護を提供し、納得いく最期や生活がおくれる支援を目指し、どんな時代になっても、自己決定支援を大切に、その方らしい人生をともに考え大切な時間のお役に立てればと思います。それではみなさま、健康管理第一に大変な時期ではありますが、共に乗り越えていきましょう。

宗像医師会訪問看護ステーション
管理者 髙木 清美
  福岡県宗像市田熊五丁目5-1
   電話:0940-36-1200 FAX:0940-36-1209

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