ドクター&ナースのつぶやき

 

令和2年10月号

朝倉医師会訪問看護ステーション 

                            管理者 穴井 京子

 訪問看護はスタッフ一丸となれば患者さんや家族の希望を可能にすることができる素敵なサービスです!!
 朝倉医師会訪問看護ステーションは平成7年10月に設立され、今年で設立25周年を迎えます。
 諸先輩方の情熱や理念を引き継ぎながら今日まで活動することができ、地域の開業医の先生方や地域住民の皆様に必要とされる訪問看護ステーションを目指し、みんなで、日々、訪問エリアの朝倉市・朝倉郡を走り回っていています。
 当事業所では看護師・理学療法士・作業療法士が小児や終末期、難病の方々などに看護・リハビリを併用利用することで医療技術だけでなく、本人、家族の希望に沿った在宅療養生活が送れるように支援することを目指しています。

 管理者になって2年目となり日々奮闘していた頃、60代男性のALS患者さんの在宅療養を支援することになりました。独居であった患者さんは気管切開や延命は希望されず、誤嚥性肺炎の診断で入退院を繰り返しましたが、在宅酸素を利用しながら、大好きなタバコを自宅で吸いたいために退院し、9か月と15日の在宅療養生活を終え自宅で永眠しました。

 ALSという難病、気管切開を希望しない患者さんの退院に、私自身も不安がとても大きく、訪問看護サービスの課題も多く感じました。
 患者さんの在宅療養を支援するにあたり私一人ではとても力不足です。
 夜間の吸引や臨時訪問、転倒しているところを発見するなど、一緒に24時間、365日支援することを覚悟し、頑張ってくれたスタッフがいたからこそ「家に帰りたい」・「最後までタバコを吸いたい」・「誤嚥するとわかっていいてもご飯が食べたい」という患者さんの希望に沿うことができました。

 事例を振り返るたびに学びの大きさを実感します。なにより、訪問看護は一人の看護師だけでは困難なことも他職種のスタッフが一丸となりチームで関わることで多様な支援や工夫が生まれ、患者さん、家族の希望に沿うことが可能となるサービスです!
 当ステーションは小児、終末期、難病の患者さんなど医療度の高い患者さんが多い傾向にあります。一人ではできないことでも、チームで患者さんを支援し、今後も、ご本人、家族の希望に沿った在宅療養が支援できるように、訪問看護の役割を果たしていきたいと思います。


朝倉医師会訪問看護ステーション 管理者 穴井 京子
 住所:朝倉市来春422-1
 電話番号:0946-24-0809

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