ドクター&ナースのつぶやき

 

令和3年2月号

八女筑後医師会
八女筑後訪問看護ステーション 

管理者 松﨑里恵

☆事業所紹介☆

 八女筑後訪問看護ステーションは1995年9月1日開設 今年で27年目になります。
 看護師(常勤10名・非常勤2名)理学療法士1名・作業療法士1名、ケアマネージャー2名、事務助手3名で機能強化型1・24時間連絡対応体制で行っています。
 八女筑後地区は、県下でも北九州と並ぶ広範囲の地域、中山間部を抱えております。
 例えば、山間部遠方であれば、景色の良い山道を通り片道40kmを越える訪問先へ向かうこともあります。
 当ステーションでは看取りの方も多く、年間約60名の在宅看取りの支援を行っています。
 2年前からは、グリーフケア(遺族ケア)ぬくぬくカフェを3か月に1回開催し、ご遺族の方とのひと時を、亡くなられたご家族を思い出しながら共に過ごせる時間を設けています。


 しかし、昨年度はコロナ禍でやむを得ず中止となりましたが、ありがたいことに、開催を求めてくださるご遺族の方が多いため、今後は広い会場で密を避け、安全に安心したカフェを開催できるよう考えています。

☆管理者のつぶやき☆

 中山間部を抱える事業所としての役割は大きく、地域の方々のニーズに合わせた看護が求められるのだと感じています。在宅看取りも年々増加傾向にあり、昨年度は約60名の方の看取りを行いました。
 コロナ禍が進みなかなか面会もできない中、会いたい人に会えたり、家族の支援をより身近で感じたりすることができる、在宅での治療を希望される方も多く見受けられます。看取りでは残された大切な家族との時間をいかに有効に有意義に過ごしていただくか、後悔のない時間を過ごせるように支援していくことが私たちの使命だと感じています。
 家族と主治医との間に立ち、本人・家族の意向に沿った治療方針を導いていくことの大切さを日々感じています。利用者を通して家族との出会いもあり、残された家族への支援継続も大切なケアの一部であると考え、平成31年3月に当ステーション2階でぬくぬくカフェを開催する運びとなりました。4家族6名のご遺族、原口先生(みどりの杜病院)に参加をしていただきました。遺族の声や考えを傾聴する中で、涙を流す方も多く見受けられました。さらには、この経験を他者へ伝えたいという嬉しい言葉も言っていただき、ぬくぬくカフェがご遺族にとって少しでも暖かい時間となり、家族のこれから歩んでいく人生へも目を向け、これからもご遺族とともに一歩ずつ歩いていけたらと思っています。
 平成24年7月14日には九州北部豪雨が発生し八女筑後地区は道路が寸断、家が流されました。

 今まで体験したことのない災害、恐怖が八女筑後地区を襲いました。そんな中でも訪問看護を必要としている利用者は多く、スタッフの身の安全を配慮しながら、継続した看護の提供を行いました。今後も、いつ災害が起こるかわからない状況の中で、地域の訪問看護ステーションと連携を図り、より良い介護を提供できるよう、協力し合うことが必要になると思います。

 また昨年度から、コロナ感染症拡大、緊急事態宣言の中、フェイスシールド・マスクの着用、手指消毒の徹底や毎朝の体温測定を行い、今までと変わらず継続した訪問看護を行っています。また、事務所内では、飛沫感染防止パネルを設置し、スタッフ全員の健康管理を徹底しています。今後もスタッフ全員の安全と健康を考え、利用者お一人お一人、家族関係やご本人の意向を第一に、職員一同丁寧にケアを務めていこうと考えています。

 Cure&Care 治療と看護 
 双方が協力し合いご利用者を支えていきたいと考えています。

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