ドクター&ナースのつぶやき

 

令和3年5月号

コロナ禍における情報共有について

                      八幡医師会訪問看護ステーション
管理者 伊藤富美代

<事業所紹介>

 八幡医師会訪問看護ステーションは平成6年10月に開設し、今年で28年目を迎えます。
 平成23年からは八幡東西区訪問看護ステーション連絡会、メーリングリスト会の事務局としての役割も担い、定例会議や研修会を行なっています。
 現在、経験豊富な看護師10名(常勤3名、非常勤7名)で、小児から高齢者まで、がんや認知症、難病、医療ケアの多い方々への看護を行っています。
 「保健・医療・福祉の連携のもと、公正中立の立場で、確かな知識と技術、誇りをもって、利用者とご家族の安寧な在宅生活に寄与する」という基本理念に基づき、医師会の職員として地域の皆様に貢献できるように今後も活躍していきますので、どうぞよろしくお願い致します。

<コロナ禍における情報共有とICT活用の課題>

 コロナ禍において、研修や会議はオンラインでの開催が主流になり、テレワークが推奨されている現在、訪問看護業務においてもタブレット端末やスマートフォンで情報共有を図る事業所が増えてきました。ICTの活用は、感染のリスク回避につながるだけでなく、業務の効率化、他職種との連携において有効な手段です。
 当事業所では、私が平成10年に入職した時には「ザウルス」というモバイル機器を導入し、自宅で記録を入力し事業所のパソコンに送信していました。直行直帰の勤務形態をとっている非常勤看護師にとって毎日事業所に立ち寄らず記録が行えると言う点で、IT化は画期的な方法だと当時びっくりしたことを覚えています。以降介護トータルシステム「寿」というソフトを導入し、訪問看護の記録、請求業務、予定・実績管理・居宅介護支援業務など全て連動して管理できるようになり、より業務の効率化が図れるようになりました。
 個人のパソコンにもソフトを入れて、日々の訪問記録、計画書、報告書が自宅で入力・確認ができるため、事業所内の情報共有に役立っています。
 現在、IT導入補助金2020,介護サービス提供支援事業の支援金支給により医療介護現場にICT機器導入が促進されていますが、当事業所では支援金を感染予防対策の環境整備に充てました。ICT機器導入を優先にしなかった理由は、スタッフ間、利用者家族や医師、他職種に直接電話連絡することが多いため、通信料の個人負担を軽くする目的で、常勤と非常勤看護師(扶養範囲のスタッフ以外)にも業務用の携帯電話を貸与していることにあります。通話とショートメールの機能のみで、リアルタイムで画像が送れないのが難点ですが、業務上大きな支障はありません。
 スマートフォンやタブレット端末に切り替えれば、医療介護専用のSNS等を活用した他職種と情報連携、利用者の体調や自宅の様子を遠隔で把握するシステムなどの導入などが可能になり、より便利さを感じるでしょう
 しかしながら、個人情報使用の問題で事業所としてSNSに関して慎重に考えていることもあり、今現在、ICT活用においては、遅れをとっているのかもしれません。
実際、「SNS等で情報共有できる事業所と連携したい」とクリニックの医師から言われたこともあります。
 コロナ禍、アフターコロナにおいて業務の安定化と情報共有を図るためにも、ICT活用の検討は今後も重ねていく予定です。

八幡医師会訪問看護ステーション
管理者:伊藤富美代
 
〒805-0062
北九州市八幡東区平野2丁目1-1
電話:093-681-3300
FAX:093-681-3317

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