主なQ&A

    

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 1.運営に関する項目

Q: 管理者は、同敷地内の居宅支援事業所の管理者を兼務できますか。
A: 訪問看護ステーションの管理上支障のない場合は、当該訪問看護ステーションの他の職務や同一敷地内の他の事業所、施設等の職務に従事することができます。
他の訪問看護ステーションの管理者を兼務することは出来ません。
Q: 同一法人の病院と訪問看護ステーションの看護師を兼務できますか。
A: 人員基準の常勤換算2.5人を満たし、訪問看護ステーションの業務に支障がない場合は、兼務ができます。勤務表上、勤務時間を明記しておく必要があります。
パートの場合は、他の訪問看護ステーションや医療機関との兼務もできますが、それぞれと雇用契約を結ぶ必要があります。
Q: 指定申請事項に変更があった場合は、届け出が必要ですか。
A: 指定を受けたときの申請事項に変更が生じた場合は、10日以内に都道府県介護保険課および地方厚生(支)局長に変更の届出を行う必要があります。
Q: 報酬改定のたびに運営規程の内容を更新する必要がありますか。
A: 必要があります。該当する場合は、追加・変更し、都道府県に届け出を行います。
また、利用者に説明して同意を得ることが必要です。
Q: 介護保険の訪問看護について、通常の事業の実施地域外では、交通費の徴収が出来るのでしょうか。
A: 事業指定申請時の通常の事業実施地域以外であれば徴収できます。
Q: 医療保険での休日加算・交通費の請求について最近、周辺の訪問看護ステーションでは、休日加算を設定していないところもあり、利用者がそちらを選ばれて訪問看護を断られたことが続いた。休日加算はどのようにしたらいいですか?
A: それぞれの事業所での運営日に添った料金設定が設けられています。訪問看護療養費の額を標準として地域の実情から定めることが考えられています。休日加算は、オプション料金として設定し届けることが必要です。届出ない限りは請求できません。     
Q: 関係性のある事業所に勤務している職員が他県からの異同の場合、変更届は前職場・現職場とも両方に届け出が必要でしょうか?
A: 介護保険ではそれぞれの都道府県健康保険は管轄の厚生局に提出する必要があります。
Q: 訪問実施地域が変更になった場合の届け出は必要でしょうか?
A: 訪問地域が変更になった場合は、運営規程の変更になりますので変更届け出が必要です。
                                        

 2.訪問看護指示書・記録に関する事項  

Q: エルシトニン等の筋肉注射は、訪問看護で出来ますか。
A: 診療の補助業務の範疇として皮下及び筋肉注射と静脈注射の看護師による医療機関外での実施は、解釈上認められています。
訪問看護指示書に注射の指示を記載してもらうことが必要です。
医療機関は薬剤料の算定ができません。
Q: ポートで高カロリー輸液を実施している。週3回訪問看護に輸液の指示があったがこの場合在宅患者訪問点滴注射指示書を毎週交付してもらう必要がありますか。
A:
在宅患者訪問点滴注射指示書は、不要です。
訪問看護指示書に輸液の内容を記載してもらってください。
Q: 介護保険利用者への訪問看護指示書料は、医療保険と同様に診療報酬で請求するのですか。
A: 医療保険・介護保険とも訪問看護指示書は、診療報酬の訪問看護指示書料で請求します。
Q: 計画書や報告書の衛生材料等の記載について、医療保険の利用者のみでよいですか。
A: 介護保険の利用者の記載は義務づけられていないが、該当する場合は、主治医に知らせるために、記載したほうがよいでしょう。全員の記載が必要ではなく、報告する必要がある場合のみです。
Q: 看護記録の保存は電子媒体による保存でもかまいませんか。
A: バックアップを定期的にとりセキュリティに気をつけ管理に注意が必要ですが、電子媒体による保存でもかまいません。
Q: 訪問看護指示書が交付された真皮に至る褥瘡の利用者に対し、指示書を交付している医療機関からの訪問看護と別の訪問看護ステーションからの訪問は可能ですか。
A: 別の訪問看護ステーションからの訪問は可能です。本来指示書を交付している医療機関の訪問看護が入っている場合に同一月の算定はできませんが、質問の利用者の場合基準告知2の1に規定する疾病等の利用者に該当するので算定できます。
Q: 介護保険でステーションから理学療法士が訪問していた。状態が悪化し別の訪問看護ステーションに特別指示書が交付されました。(新規のステーション)そのステーションが今日から特別指示書で点滴に入りますが、今まで通り介護保険でステーションから理学療法士がリハビリを行うことは可能ですか。
A: 医療保険と介護保険を一人の利用者が同時に使って訪問看護を受けることはできません。特別指示書が出れば全て医療保険になります。2カ所の訪問看護を使うことができるのは、特別指示書期間中と厚生労働大臣が定める疾病の利用者です。
Q: みなし指定で医療機関の訪問看護を行っている。
  ①所属する医療機関の医師が訪問看護指示期間を3カ月間としているが問題ないでしょうか。
  ②介護保険の場合はどうなるのでしょうか。
  ③他の医療機関からの指示で訪問することは可能でしょうか。
A: ①②共にみなし指定の訪問看護は、医療保険の訪問看護指導料、介護保険の訪問看護費共に医師の資料の日から1月以内に行われた場合に算定できます。指示期間は1カ月。
③他の医療機関の医師が診療し1カ月以内であれば診療情報提供書によりみなしの訪問看護が訪問可能です。
Q: 介護保険で訪問した後に熱発しました。主治医より特別訪問看護指示書が交付され同日訪問し点滴をしました。特別指示書が交付される前を介護保険で、交付後を医療保険で算定していいですか。
A: 特別指示書交付前を介護保険で、交付後を医療保険で算定することができます。
Q: 一人の利用者に1日長時間訪問・特別指示・2回訪問を行った場合報告書のカレンダーにはどのような表示の仕方をすればいいでしょうか?
A: 訪問看護業務の手引きを参照してください。訪問日は○ 特別指示は△  1日に2回以上訪問した日は◎ 長時間は□と表示するように具体的に記載されています。  
Q: 整形外科から訪問看護指示をうけている利用者で褥瘡が発生しました。皮膚科受診をした際毎日の訪問看護が必要と判断されました。この場合、皮膚科から特別指示の発行が可能でしょうか?
A: 指示書は一人の医師からの指示となります。また医師が診療した時に特別指示が発行できるようになっています。この場合、皮膚科の医師と主医師が充分に連携し、主治医から特別指示が発行できるように調整する必要があります。
Q: 主治医変更になりましたが、新しい主治医が元の主治医の指示期間が残っているので、指示書は必要ないといわれましたがいいのでしょうか?
A: 指示期間が有効であれば訪問は可能ですが、主治医が変更になった場合は、速やかに新しい主治医からの指示書が必要です。ただしひと月のなかでは、一人の主治医です。
Q: 記録の保管期間は2年と訪問看護業務の手引きにありますが、2年でしょうか?
A: 訪問看護の手引きのとおり2年間ですが、完結してから2年間ですから亡くなった方や入所された方は別にして、再開する可能性のある方は考慮されたらどうでしょうか?平成25年4月1日より訪問看護の指定は県(特定都市・中核市)が条例で定めることになっています。福岡県は5年保存になっています。
Q: 真皮を越えた熱傷の利用者で特別指示書は月2回出してもらえるでしょうか?
A: 熱傷の特別指示は月1回です。特別指示後は介護保険になります。
Q: 外泊の場合の指示書は、どうなりますか?
A: 外泊でも指示書は必要です。退院後に向けての指示書になりますので外泊のみの期間ではなく 期間は長くとってもらったほうがいいと思います。
Q: 特別訪問看護指示書については、往診日や訪問診療日に指示を出されるのでしょうか?
A: その通りです。特別訪問看護指示書は利用者の急性憎悪などの判断に基づいて発行されますので医師が診察されないと、特別指示は出せません。 また利用者の終末期 退院直後などにより、主治医から一時的に週4日以上の頻回の訪問看護が必要である旨、交付を受けた場合はその交付日から14日以内は14日を限度として訪問看護ができます。

 3.介護保険・介護給付費  

Q: 緊急時訪問看護加算と特別管理加算が区分支給限度額枠外の扱いになったとのことですが具体的にはどのようになったでしょうか。利用者の負担額が変更になるのでしょうか。
A: 介護保険では、要介護状態区分・要支援状態区分ごとに支給限度額が定められています。これを超えた部分は、介護保険の給付が行われず、利用者は、全額負担になります。平成24年4月以降は、対象外の算定項目になりましたので支給限度額を超えた場合も1割負担で良いことになりました。
 (平成27年8月以降は介護保険2割負担の場合あり)
Q: 平成26年度改定も合わせてその他の区分支給限度基準額枠外の算定項目は、どのようになっていますか。平成27年度改定はどうなっていますか。
A: 緊急時訪問看護加算・特別管理加算・特別地域訪問看護加算 ・中山間地域等の小規模事業所加算・中山間地域提供加算・サービス提供体制強化加算 ・ターミナルケア加算(介護予防を除く)が枠外となっています。
平成27年度改定の看護体制強化加算(新規)300単位は、支給限度基準額枠内となっています。
Q: 介護保険の支給限度額を超える分はオプション料金で請求していいですか。
A: 介護保険では、要介護状態区分・要支援状態区分ごとに支給限度額が定められています。これを超えた部分は、介護保険の給付が行われず、利用者は、全額負担になります。したがってオプション料金の算定は、できません。
入院中の外出に同行するなどが適応となります。
Q: 認知症の方に訪問しています。眼が離せないので昼間経営しているクリーニング店に利用者を連れて行っています。排便管理で店に訪問してほしいと依頼がありました。訪問看護は提供できますか。
A: 訪問看護の提供の場は、居宅以外は認められていません。このケースの場合店には、訪問できません。
Q: 訪問看護中に予定外で医師の往診がありました。90分の予定でしたが30分と往診後の30分のケアになりました。訪問看護の算定はどうなりますか?
A: この場合は、緊急ではなく訪問時間の間隔が2時間以内に行われましたので30分と30分を合算して算定します。
但し、緊急の場合の訪問は2時間未満であっても、それぞれで算定できます。
Q: サービス提供体制強化加算について産休中のスタッフや理学療法士などのスタッフも含みますか?
A: 訪問看護ステーションのすべての看護師等とは保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の構成となっています。産休は雇用契約が継続していることから勤続年数に含めます。
Q: 介護保険と医療保険での同一建物への訪問についてどうちがうのでしょうか?
A: 介護保険では指定訪問看護事業所と同一建物に居住する利用者について「同一建物」は一体的な建物を指すものであり具体的には建物の1階部分に事務所がある場合です。前年度の実利用者が月30人以上の場合にその利用者について減算となります。
医療保険での同一建物居住者は同一日に同一建物居住者が3人以上の場合基本療養費(Ⅱ)を算定します。介護保険と医療保険での同一建物の訪問に関しては間違いやすいので注意が必要です。
Q: 介護保険での緊急時訪問看護を行った場合の算定について
A: 計画的に訪問することになっていない緊急時訪問看護を行った場合には、月単位の緊急時訪問看護加算とは別に、所要時間に応じた単位数を算定します。早朝・夜間・深夜の加算は原則として算定できませんが、特別管理加算を算定する状態の者には1ヵ月以内の2回目以降の緊急時訪問については加算を算定できます。
Q: 退院時共同指導加算を医療保険や介護保険で算定した場合、介護保険での初回加算は算定できますか?
A: いずれかの算定になります。
Q: 介護保険を利用している方が急性憎悪の為、特別訪問看護指示が出た場合、特別管理加算や24時間連絡対応加算は医療保険又は介護保険のどちらの算定になりますか?
A: 介護保険の緊急時訪問看護加算・特別管理加算を算定している場合は同一月に医療保険の24時間連絡体制加算と特別管理加算は算定できません。

 4.医療保険・訪問看護療養費  

Q: 呼吸不全の末期で特別訪問看護指示書と在宅点滴注射指示書で訪問看護を提供しました。退院日の算定と退院後5日間で死亡しましたがターミナルケア加算の算定は可能ですか。
A: 医療保険の訪問になります。退院日は、退院支援指導加算を算定します。ターミナルケア加算は、①24時間常時連絡できる体制を整備していること②ターミナルケアの提供過程における利用者の心身の状況の変化及びこれに対する看護の内容等必要な事項が適切に記録される体制を整備していることが必要です。この場合医療保険の期間中に亡くなられていますので、訪問看護ターミナルケア療養費を算定します。介護保険のターミナルケア加算は算定できません。
Q: 25歳腎不全、障害医療証を受給されている為医療保険で訪問します。回数制限はありますか。訪問診療・在宅酸素開始予定です。
A: 在宅酸素を開始すれば、厚生労働大臣が定める疾病等の利用者になります。 「基準告知」第2の1「特掲診療料の施設基準等」別表第8に揚げるもの②在宅酸素療法指導管理に該当します。週4日以上の利用、難病等複数回訪問加算算定可能です。 在宅酸素を開始しない場合は、週3回の訪問となります。
Q: 要介護者の利用者ですが、現在は特別訪問看護指示書と在宅患者訪問点滴注射指示書が交付され医療保険の訪問看護で点滴を週6日行っています。特別訪問看護指示期間が切れた後も週3日の点滴が必要です。点滴が必要な期間は医療保険の訪問看護で行っていいでしょうか。
A: 特別訪問看護指示書が切れたら訪問看護は介護保険になります。介護保険の訪問看護でも点滴を行うことができます。介護保険の場合も医療保険の場合も訪問看護で週3回以上の点滴が 実施されれば主治医は、在宅患者訪問点滴注射管理指導料[60点]と薬剤料を算定することができます。要介護(要支援)者ではない(介護保険の対象ではないまたは申請していない)利用者であって週3日以上の点滴を行い在宅患者訪問点滴注射管理指導料が算定されている場合は、別表第8の対象となるため特別訪問看護指示書の交付がなくても医療保険の訪問看護を週4日以上行うことができます。別表8の対象は、介護保険の訪問看護に対して医療保険訪問看護が優先になるということではありませんので注意してください。
Q: パーキンソン病の利用者は、介護保険と医療保険のどちらの対象になるのでしょうか。
A: 医師の訪問看護指示書に、ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であり、生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度と明記されていれば医療保険の対象になります。それ以外は介護保険になります。
Q: 精神科にかかっており精神の訪問看護指示書で24時間対応できないAステーションが訪問していました。利用者が、体調が悪く入院しました。すい臓がんの末期ということがわかり別の訪問診療を行う在宅医から、24時間対応のBステーションに訪問看護指示書が出ました。指示書や主治医をどのようにしたらよいでしょうか?
A: 訪問看護指示料を算定できる医師(主治医)は1月につき1人に限られます。このケースの場合は、主たる病名がすい臓がん末期であれば訪問診療を行う在宅医から指示書の交付を受ける方がよいでしょう。医師同士の連絡調整をしてもらってください。この場合精神科訪問看護指示書は必要ありません。
Q: 留置カテーテルが挿入されていれば、特別管理加算は算定できるのですか。
A: 留置カテーテルからの排液の性状、量等の観察、薬剤の注入、水分バランスの計測等計画的な管理を行っている場合は算定できますが、単に留置カテーテルが挿入されているだけでは算定できません。また、輸液用のポート等が挿入されている場合であっても訪問看護において一度もポートを用いた薬剤の注入を行っていない場合は計画的な管理が十分に行われていないため算定できません。
Q: がん末期の利用者に介護保険の訪問入浴と同一時間帯に医療保険の訪問看護が入ることは可能でしょうか。
A: ケアプラン2票への位置づけがあれば可能です。サービス担当者会議を開催して内容を確認してください。
Q: パーキンソン利用者の方に医療保険で訪問看護を提供しますが、医療保険の訪問看護には30分~90分と幅があるが同一料金で良いですか。
A: 同一料金で訪問します。訪問看護計画書に沿った訪問看護のケア開始から終了までの時間です。
Q: 医療保険で訪問して40分でケアが終了したら実施記録は、利用者宅を出た時間か事務所へ帰ってきた時間ですか。
A: ケアが終了した時間。利用者宅での記録の時間は含みません。
Q: 無呼吸症候群のCPAPは、「人工呼吸器を使用している状態」に含まれないと聞きました。4月分は、医療保険で請求しましたが、4月の請求から介護保険になりますか。
A: 平成26年~介護保険となりました。医療保険の請求を取り下げて、ケアプランを作成し介護保険で請求します。SASに対するASVやCPAPは、人工呼吸器指導管理料の対象ではありません。なお心不全のASVについては、主治医が人工呼吸器管理指導料を算定していれば訪問看護は医療保険からの訪問看護となります。算定していなければ、訪問看護は介護保険からの訪問となります。
Q: 理学療法士・作業療法士のみが訪問している場合注意点を教えて下さい。
A: 訪問看護管理療養費の算定に関して安全な提供体制の整備を行う為平成26年度より自立度が低い利用者につき褥瘡の危険因子のアセスメントが必要となっています。できるだけ月に1回以上の看護師が訪問しアセスメントをするようにしましょう。
Q: ALSの疾患で訪問看護は医療保険で訪問しています。介護保険のヘルパーを同時間に利用できますか?
A: 利用者の安全上、訪問介護員との協働が必要な場合など、ケアプランに位置づけられていることが必要です。
Q: 半年間の指示で訪問看護に関わっています。途中から別の病院の指示で別のステーションが訪問看護に入ることは可能でしょうか?
A: 1ヶ月一人の利用者の訪問看護の主治医は一人です。基準告示第2の1の利用者の場合は2か所の訪問看護ステーションを利用することは可能です。
Q: 別表7の方で週7日の訪問看護を提供する際、3か所のステーションを利用しています。複数名加算について教えて下さい。
A: 複数名加算は日曜日を起算して1名の利用者に週1回算定が可能です。3か所のステーションでどのように算定するか話合っておく必要があります。    
Q: 例えば7月30日から特別看護指示書と在宅患者訪問点滴指示書で訪問しました。特別管理加算は算定できますか?
A: 医療保険の点滴での特別管理加算は主治医から点滴指示書が出されていることや開始されて1週間のうち3回の点滴を実施した場合に3日目に算定できます。 この場合、7月は30日と31日の2日間になりますので、特別管理加算は算定できません。
Q: 同月内に退院を繰り返した場合、退院支援指導加算は1回のみの算定ですか?
A: 退院日に訪問が必要である場合であれば、退院ごとに算定できます。レセプトの特記の欄に入院先や入院期間を記入してください。利用者の退院時に訪問看護指示書の交付を受けている場合に算定します。訪問看護ステーションと特別の関係にある保険医療機関からの退院に行われた退院支援指導の場合でも算定できます。
Q: 外泊の訪問看護の加算はありますか?また同日2回訪問できますか?
A: 在宅療養に備えて一時的に外泊をしている入院患者(厚生労働大臣が定める者に限る)に対する訪問看護を行った場合に算定できます。その時に加算はありませんし同日に2回の訪問はできません。基準告示第2の1に規定する利用者は入院中2回まで算定が出来ます。   
Q: 24時間連絡体制の当番を事務又は理学療法士などのセラピストでも可能でしょうか?訪問看護師の負担を軽減したい為、その対策として考えてみました。
A: 24時間体制は保健師か看護師です。電話等により看護に関する意見を求められた場合常時対応できる体制にあるもの条件です。また、准看護師・事務・セラピストは連絡担当者はできないようになっています。
Q: 医療保険で同一建物の夫婦に訪問看護を行った場合の算定方法を知りたい。
A: 平成26年度より同一建物の訪問看護の減算は3人以上となっているので2人までは通常の請求を行います。 
Q: 一日に3回訪問看護に行っているが、正看や准看が訪問する時があります。このような場合 基本療養費の算定は正看、准看のどちらで請求しますか?
A: 最初の計画で1回目に行く看護師の資格で決まります。ただし准看で計画していて正看が行った場合は准看で算定します。

 5.精神科訪問看護療養費  

Q: 精神科訪問看護指示書の交付により、精神科以外の診療所に外来通院中の精神疾患を有する患者に対して訪問看護を行うことは可能ですか。
A: 精神科以外の疾患について、その担当科の医師から診療情報の提供をうけそれを踏まえて精神科の医師が訪問看護の必要があると判断し精神科訪問看護指示書の交付をした場合は可能です。
Q: 精神自立支援の方に通院介助が必要です。訪問看護で受診介助は可能ですか。
A: 訪問看護で通院介助はできません。
Q: 精神障がい者施設に入所の方で、介護保険を申請しました。今後の訪問は介護保険の訪問になりますか?
A: 精神科を標榜する医師からの精神科訪問看護指示書が発行されれば、医療保険での訪問になります。また精神科訪問看護基本療養費を算定するのであれば、訪問看護事業所も算定要件を満たすことが必要となります。
Q: 精神科を退院された方は、退院後3ヶ月は週5日訪問できますか?
A: 週4日目以降の対象となるのは利用者の退院後3ヶ月以内の期間に行われる場合(週5日を限度)で、精神科訪問看護指示書の交付を受けた場合です。 
Q: 精神科訪問看護基本療養費を算定するのはどのようにしたらいいのですか?
A: 精神科を標榜する保険医療機関の経験が1年以上や精神科の研修を受けたものではないと一人での訪問はできません。複数名訪問はもう一人が要件をみたしておれば訪問できます。届出が必要です。
 算定要件
 ① 精神科を標榜する保険医療機関において精神病棟または精神科外来に勤務した経験を1年以上有する者
 ② 精神疾患を有する者に対する訪問看護の経験を1年以上有する者
 ③ 精神保健福祉センター又は保健所等における精神保健に関する業務の経験を1年以上有する者 専門機関等が主催する精神科訪問看護に関する知識・技術の習得を目的とした20時間以上の研修を終了している者

 6.公費負担医療制度・労災保険等に関する事項  

Q: 自立支援での利用者精神科訪問看護で自己負担2,500円の場合病院や・薬局への支払いの確認はどうすればいいですか。
A:
自己負担上限管理票で確認のうえ請求してください。
Q: 障害者医療証があるので、介護保険利用者だが医療保険で訪問できますか。
A: 障害者医療証があっても医療保険の訪問にはなりません。介護保険利用者に主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合医療保険の訪問になります。
Q: 原爆医療証を持っているが、介護保険も公費負担ですか。
A: 訪問看護療養費については、全額公費負担です。その他の疾病については、医療保険も介護保険も自己負担分は、公費負担です。
Q: 水俣病で介護保険の要支援1の認定を受けている方のサービス利用する場合、サービス費の出所と諸手続きについて教えてほしい。
A: 自己負担の分が公費助成で負担なしになります。利用する事業所が水俣病を受けられる届出をしていれば利用できますので確認をして下さい。
Q: 労災でアスベスト認定の66歳の方。訪問看護の費用はどうなりますか?
A: ステーションが労災の指定を受けていれば、個人の負担はありません。請求関係は様式等があるので労働基準監督署に確認ください。
訪問看護の実施に関しては、健康保険法等の運営基準とほぼ同じですが、主治医は傷病労働者の診察をしたという医師の要件がありますので、労災による疾病の治療を行っている指示書が必要です。
Q: 60歳特定疾患に認定されているもやもや病の方に訪問を行っています。障害者医療証80番の公費身体障害者手帳1級を取得されたので今後の訪問看護の請求はどちらで請求してよいですか?
A: 介護保険で認定されていれば、介護保険優先となります。介護保険をもっていなければ、医療保険の公費と障害の2本立てで請求となります。一部負担金がある都市ではステーションが請求することになります。社会保険では差額の償還払いとなります。再度居住地のある自治体に確認をしてください。

 7.具体的な処置・看護展開に関する事項  

Q: 膀胱留置カテーテル等の定期交換以外の詰まった場合等の交換の際に使用した材料は利用者に請求することは可能ですか。
A: 利用者に請求することはできません。医師へ連絡して材料を提供して貰ってください。
Q: 利用者が亡くなった後の麻薬剤の回収や廃棄についてどうしたらいいですか。
A: 利用者の自宅で医師や看護師、家族の立ち会いのもと錠剤はお湯に溶かし液材は袋を破りトイレに廃棄します。パッチは粘着部分を半分に折り張り合わせハサミで細かく切って廃棄します。
自宅で廃棄できない場合は、薬剤師に自宅に取りに来てもらい薬局で廃棄します。
Q: がん末期の利用者が、食事量が落ちて特別指示書で週2回点滴指示が出ましたが、特別管理加算は算定できますか。
A: 在宅患者訪問点滴注射管理指導料は週3回以上点滴を実施した場合に特別管理加算Ⅱが算定できます。2回の点滴では加算は算定できません。
Q: 特別管理加算について胃瘻の注入は看護師がしていないが算定可能ですか。24時間の対応は主治医が算定して対応しているので訪問看護は算定していません。
A: 介護保険は算定可。注入のみでなく胃瘻周囲皮膚の観察、栄養管理など胃瘻管理で必要な看護や指導を行っている場合に算定します。
Q: 主治医より間歇導尿又はバルーンカテーテル挿入の指示がありました。家族が間歇導尿を行う予定です。医療機関は材料費をどのように請求すればいいですか。
A: 医師が訪問診療等の際に在宅療養指導管理に使用するものとして支給します。薬剤料や特定保険医療衛生材料となる間歇導尿カテーテルやバルーンカテーテルは医療機関で算定できます。
(固定液、シリンジ、キシロカインゼリー等を含む)
Q: 静脈注射については記載があったが皮下注射や筋肉注射は、看護師の範疇として認められているのでしょうか。
A: 皮下注射や筋肉注射は、診療の補助の範疇として看護師の実施が認められていますが、(厚生労働大臣が定めている薬剤)医療機関は薬剤料の算定ができません。 
Q: 医療保険の方で往診と訪問看護で関わっています。バルーンカテーテル(男性)の交換について注意点を教えて下さい。
A: 男性の場合は、前立腺肥大症などの疾患がある場合など、挿入が困難で尿道を損傷したりする危険性があります。まずは、医師からの情報を確認して安全な方法で確立した場合は訪問看護師で可能かと判断します。

 8.地域密着型サービス(定期巡回・看護小規模)療養通所に関する事項  

Q: 小規模多機能型居宅介護事業所で訪問看護について急性憎悪で特別指示書での訪問は可能ですか?
A: がん末期や特別訪問看護指示書を交付された場合宿泊サービスを利用している場合での訪問看護は可能です。介護保険で訪問看護を利用している利用者については宿泊中の介護保険での訪問看護の算定はできません。
Q: 看護小規模多機能型居宅介護はどのような人が利用できますか?
A: 介護保険認定で、要介護1~5の認定を受けた方です。
Q: 看護小規模多機能型居宅介護の利用者が月の途中で医療保険での訪問看護の指示を受けた場合にも利用できるのか?
A: 利用できます。それぞれの介護度に応じて減算となります。

 9.施設への訪問看護の提供  

Q: 小規模多機能のデイサービス利用中に訪問看護算定可能ですか。
A: 小規模多機能の宿泊サービス利用中に限りがんの末期の利用者又は特別指示書での訪問看護の算定が可能です。
その他は、事業所との契約による訪問になります。
Q: 34歳障害者施設に入所中医療保険での訪問看護が可能ですか。
A: 施設が住宅と認められているかの確認が必要です。住宅であれば訪問可能です。
Q: グループホーム入所者医療保険対象の疾患でない場合、訪問できるのはどういう場合ですか。
A: 主治医から交付された特別指示書の期間は、算定可能です。
Q: 特定施設に訪問看護は、入れますか。
A: 特別指示書の期間、がん末期の利用者の場合は、医療保険で算定可能です。
Q: 有料老人ホーム入所中。特別指示書と在宅患者点滴注射指示書が出ますが、多系統委縮症の病名の場合特別指示書で必要ですか。
A: 厚生労働大臣が定める疾病等なので医療保険で週4回以上の訪問が可能です。特別指示書は、必要ありません。
Q: 短期入所生活介護(特別養護老人ホーム)、短期入所療養介護(老人保健施設)、医療機関の入所・入院日、退所・退院日に訪問看護は算定できますか。
A: 入所・入院日についてはどちらも算定できます。短期入所生活介護については退所日の算定もできます。短期入所療養介護及び医療機関からの退院では退所・退院日は、介護保険の特別管理加算を算定している場合のみ算定できます。       
Q: グループホームとの契約により訪問を毎週3回行っています。この場合、看護師は一人でいいのでしょうか?
A: グループホームへの訪問は、最低でも週1回程度の訪問が必要と思われます。施設側が医療連携加算を算定するには、看護職でなければなりません。 一人の看護師が週3回訪問を行っていることには問題ないです。
Q: グループホームへの訪問についてどのような場合に訪問が出来ますか?栄養不良で点滴が必要な状態です。疾患については把握していません。
A: まずは、疾患などの基本情報を収集してください。医療保険での訪問看護が可能な場合は①特別訪問看護指示書の期間②末期の悪性腫瘍など厚生労働大臣の定める疾病等です。訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅱ)で算定します。

 10.その他  

Q: 訪問中の針刺し事故について。針刺しをした場合の責任は点滴を指示した病院側にあるのか、実施したステーション側にあるのでしょうか?
A: ステーション側にあります。まずは針刺しがないような環境を備える必要があります。 針刺しなどの危険度の高い事故はどのような医療行為であったか、不適切な使用法など充分に振り返る必要があります。事業所の管理者は、感染予防の対策や、職員の公務・労務災害として対応する必要があります。

  参考文献
   ・「医療保険・介護保険 訪問看護業務の手引き」平成26年4月版:社会保険研究所
   ・「訪問看護実務相談Q&A」平成26年度改定版:中央法規


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