成長曲線・肥満度曲線の活用について

 福岡県医師会では、成長曲線・肥満度曲線を活用することにより、児童生徒の成長異常や疾患等の早期発見・早期治療及び疾病予防に寄与するため、県内の各学校における活用を促進することを目的として、成長曲線・肥満度曲線活用促進事業に取組んでおります。

 曲線を作成・活用する意義は、個々の児童生徒特有の発育特性を評価することができ、その時点までの成長が適正であるかどうかを確認すること、さらには、経年的な変化を見ることで、肥満ややせの進行を評価できるだけでなく、性早熟症や脳腫瘍等、隠れた疾患を見つけ早期診断・早期治療に繋げることです。

 また、身長・体重の経年的変化は児童生徒の養育状態も反映します。養育不全、虐待への気づき、あるいは虐待疑いのある場合に、成長の様子を確認する資料として活用することも考えられます。

 本会としましては、県内すべての児童生徒一人一人について曲線を作成し、成長異常等を確実に抽出し、適切に医療機関を受診できる体制の構築に向けて取組んでまいります。

教育委員会及び郡市医師会のための成長曲線・肥満度曲線の活用に関する手引き

 今般、本会では、成長曲線・肥満度曲線の意義や重要性について啓発するとともに、教育委員会と医師会が地域の実情に応じて健診体制を整備するにあたっての参考としていただけるよう、「教育委員会及び郡市医師会のための成長曲線・肥満度曲線の活用に関する手引き」を作成いたしました。

 本手引きには、曲線の作成・活用の手順や、活用が有効であった事例、並びに既に曲線が活用されている他地域における保護者への通知文や受診報告書等の様式を掲載しております。

 つきましては、各教育委員会と医師会が地域の実情に応じて健診体制を構築していただく際の参考にしていただけますと幸いです。

令和6年3月

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